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02 錦絵
 一般に錦絵とは、木版多色摺りの浮世絵版画のことをいい、江戸中期に鈴木春信などによって完成されたといわれています。すなわち「見当」と呼ばれる、今日の印刷の「トンボ」にあたる技法を開発したことによって、多彩な色彩表現と量産が可能になり、錦絵は飛躍的に発展しました。浮世絵から発した錦絵は、当初は歌舞伎や遊里の絵が中心でしたが、後には町人の日常生活を描いたものまで多様な作品が制作され人気を博しました。したがって江戸時代の錦絵イコール広告媒体ということはできませんが、中には名所図会の中にさりげなく看板を入れたもの、店頭風景そのものを錦絵にしたもの、各種の錦絵に意図的に店の名前や商品名を描き込んだと思われるもの、人気歌舞伎役者のブロマイドのような錦絵に商品を入れ込んだり歌舞伎絵の口上に商品メッセージを埋め込んだものなど、情報メディアとしての錦絵に注目した江戸商人たちが錦絵の版元と手を結び、宣伝活動に利用していたと考えられます。明治時代に入ると錦絵は次第に衰退の兆しを見せ始めますが、一方では世相を伝える新聞の役割を果たす錦絵新聞や、広告の役割に特化された、今日のポスターに通じる錦絵が登場します。
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駿河町越後屋 店頭美人図 時世粧年中行事之内競細腰雪柳風呂 鈴ケ森 江戸名所百人美女 人形町 中天竺馬爾加国出生 新渡舶来大象之図
駿河町越後屋 店頭美人図 時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂 鈴ケ森 江戸名所百人美女 人形町 中天竺馬爾加国出生 新渡舶来大象之図
西洋新はつめい オヤオヤわかくなったねへ 楽善堂三薬 市川団十郎 児雷也    
西洋新はつめい オヤオヤわかくなったねへ 楽善堂三薬 市川団十郎 児雷也    

 

資料番号:1986-762-1

初代国貞 (くにさだ)/天保年間頃/36.5×78.1(cm)(3枚組)

呉服商の越後屋は、日本橋駿河町(現・日本橋室町)に大店を構え、江戸名所の一つでもあった。店頭の立派な建て看板や「丸に井げた三文字」と呼ばれるマークが大きく染め抜かれた暖簾が、当時の繁盛ぶりを示している。越後屋は、呉服の定価販売を最初に始めるなど、革新的経営方法で成功した。駿河町越後屋は多くの錦絵に描かれているが、背景中央に富士山が描かれていることが多い。この絵も広重の『東都名所駿河町之図』と殆ど同じ構図であり、江戸のランドマークとしての駿河町の典型的描写法といわれている。

所蔵・アド・ミュージアム東京

資料番号:1987-2933

落合芳幾(おちあいよしいく)/江戸末期/36.9×75(cm)(3枚組)

銭湯の女湯風景。派手な喧嘩の様子がユーモラスに描かれている。壁面には寄席や薬・化粧品等のびらが所狭しと貼られている。当時、人の集まる銭湯や床屋は絶好の広告掲示場であった。

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資料番号:1991-861

初代貞景(さだかげ)/天保年間頃/38.2×77.5(cm)(3枚組)

大阪道頓堀で上演された歌舞伎『御存知 鈴ケ森』の一場面。鈴ヶ森は、市川海老蔵演ずる「幡随院長兵衛」(ばんずいいんちょうべえ)と岩井紫若が演ずる「白井権八」の有名な出会いの場である。中央の高て札には粉おしろいの「美艶 仙女香」の文字が見える。

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資料番号:1994-354

三代豊国(とよくに)/安政5(1858)年頃/37×25(cm)

一連の錦絵『江戸名所百人美女』の中の「人形町」。左上のコマ絵の中には、人気の化粧品「菊寿香」を扱う人形町の「き久寿(きくじゅ)」が描かれている。美人が手にしているのは白粉の「寿々女香」である。

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資料番号:1987-3514

初代芳豊(よしとよ)/文久3(1863)年/36.5×25(cm)

両国広小路でのインド象の興行を告知する錦絵。絵師の芳豊は、この興行に際して約20点もの錦絵を描いている。文章を手がけた仮名垣魯文は、有名な戯作者であり、今で言うコピーライターでもあった。この象を見ることで七難が消滅し、七福が得られるとの説明が書かれている。

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資料番号:1998-7

橋本周延(はしもとちかのぶ)/明治期/72.8×52(cm)(上下2枚組)

西洋の新発明として白髪染めを紹介している錦絵。西洋人に扮した九代目市川団十郎が、婦人に扮した五代目尾上菊五郎に白髪染めを施している。広告仕立てになっている作りが面白い。西洋白髪染めは明治40年に日本で販売が開始された。

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資料番号:1987-3507

岸田吟香(きしだぎんこう)

小林永濯(こばやしえいたく)/明治期/35.2×23.3(cm)

「楽善堂」で扱う薬の説明書きが入った錦絵広告。楽善堂は、かつて東京日日新聞の記者であった岸田吟香が銀座で営んでいた薬局で、看板商品である目薬「精水」の広告を、新聞を中心に積極的に行っていた。

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資料番号:1986-2174

平尾賛平(ひらおさんぺい)

豊原国周(とよはらくにちか)/明治31年/37.5×73(cm)(3枚組)

明治31年6月の明治座新狂言『児雷也豪傑譚語』(じらいやごうけつものがたり)の錦絵広告。児雷也役の9代目団十郎の背景には10社の連合広告が入っている。右下にはこれらの広告を扱った広告業者の「福徳組」の文字が見える。

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