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04 引札
 引札とは、現在のチラシや折込広告、手配りのビラにあたる一般的広告物でした。語源は定かではありませんが、「“お客を引く札”から引札」(*)という解釈があります。引札が江戸の寛文期辺りから盛んに使用されるようになった理由としては、この頃から商業活動が活発になったことが考えられます。
引札は、既に絵が描かれている状態の空白部分に、後から店名や商品名を入れる、という方法で制作されました。江戸時代は木版印刷でしたが、明治に入ると銅版印刷や石版印刷などの高度な技術が台頭し、より鮮明で華やかなものになっていきました。それらの多くは江戸時代の錦絵師の末裔達によって描かれたといわれています。
また、江戸後期から明治初頭にかけての引札の中には、戯作文調によるものも見られます。店主による御挨拶調のものが大半であった中で、文章技巧を駆使した引札は大変、目を引いたと思われます。平賀源内を始め、仮名垣魯文、河竹黙阿弥等の作家達が小説や戯曲の制作と同時に引札の文章を書いていたのです。
(*)「広告文案 千客萬來」福井春芳堂 明治35年
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そめいさん 根元現銀かけ値なし はん並びにすりもの師 御懐中南京御はぐろうるし 東京ヱビスビール
そめいさん  根元現銀かけ値なし はん並びにすりもの師 御懐中南京御はぐろうるし 東京ヱビスビール
大阪大丸下村呉服店之図(改正小包郵便料付き) 銅版石版彫刻及印刷廣告  西京最初 欧風菓子製造本舗     
大阪大丸下村呉服店之図(改正小包郵便料付き) 銅版石版彫刻及印刷廣告  西京最初 欧風菓子製造本舗     


 

資料番号:1995-728

中嶋太兵衛

江戸時代/木版印刷/16.4×22.5(cm)

江戸時代の煎薬、「そめいさん」(蘇命散)の引札。当時偽物が出回っていたことから、対抗して出されたもの。天狗をシンボルとして使用し、本物の天狗が偽物を投げ飛ばす絵で本家本元を主張している。

所蔵・アド・ミュージアム東京

資料番号:1988-1509

大坂高麗橋 三井越後屋

江戸時代/木版印刷/32.5×44.6(cm)

わが国で最初に引札を発行した三井越後屋の大坂高麗橋店の引札。ここでは、江戸駿河町店と同店だけが本家本元であり、「現銀かけ値なし」の商法の元祖であると主張している。

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資料番号:1992-861

松岡栄作

長栄・画/江戸末期〜明治時代/木版印刷/16.7×35.6(cm)

判や刷り物を製作する店の引札。「御好み次第」の刷り物として、和歌、見世物番付と並んで、「ちらしの画入り、色入り」がある。この店で引札が製作されていたことがうかがえる。

所蔵・アド・ミュージアム東京

資料番号:1988-1503

井筒屋忠兵衛

江戸末期/木版印刷/17.6×22.2(cm)

かつて既婚女性が使用していたお歯黒の引札。一度つけたら半月ばかりよく持つので、道中には格別重宝する、という説明書きがある。

所蔵・アド・ミュージアム東京

資料番号:1998-37

日本麦酒株式会社

明治中期/石版印刷/23×32(cm)

ヱビスビールは、明治23年に販売が開始された。文中の「御便宜の為切手も発売仕候」という言葉から、当時既にビール券が存在していたことがわかる。

所蔵・アド・ミュージアム東京

資料番号:1987-3528

明治36年/石版印刷/38.9×54.5(cm)

大阪の下村呉服店の店頭図が描かれ、陳列場と座売り場が並んでいる。この頃、郵便小包による配送を取り扱っており、右下に小包郵便料金表も添えられている。

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資料番号:1988-460

玄々堂 松田敦朝

明治14年頃/銅版印刷/20.5×24(cm)

玄々堂の松田敦朝は、明治時代初頭に英国からリトグラフィーを輸入し、銅版と石版印刷で成功した。これは第2回内国勧業博覧会で褒賞を賜ったことを記念して発行された引札と思われる。

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資料番号:1988-316

桂月堂 石埜和三郎

木州人・画/明治時代/木版印刷/24.5×17.4(cm)

桂月堂は、京都で初めての洋菓子屋。当時、乳製品を食べる習慣がなかったので当初は売れ行きが悪かった。文章中に、和菓子は胃を弱くするが、我々が製造している洋菓子は体に良い材料を使用している。というくだりがある。ポンチ絵風の図柄も特徴的である。

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